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骨董魔族の放浪記  作者: 蟒蛇
第8章
110/189

残党狩りとドールからの報せ

 北の地へ向かうオーク達の首領を討伐したアルクラドとシャリーは、オークキングから得た情報を基にオークの軍勢を追っていた。

 オーク達が通るであろう道は討伐隊の立てた予測とほぼ同じであり、森の切れ目にある平野で2つがぶつかると思われた。ただそれぞれの軍勢が予定よりも速く移動していた為、アルクラド達の到着を待たずして戦いが始まろうとしていた。

 そうとは知らないアルクラド達は、予定通り翌日の朝に、戦地となる平野へ着くつもりで歩いていた。平野での戦いの方が数を相手取るには都合がいい為、あえて急ぐことはしなかったのである。

「もしオークの軍団がドール王国を襲っていたら、どうなってたでしょうか?」

 道すがら、仮定の話に意味はないと分かりつつも、シャリーがそんなことを尋ねた。オークロードを倒せる者として、アルクラドはヴァイスとエピスの名を挙げた。その2人がオークキングと戦っていたらどうなっていたかが、気になったのだ。

「ヴァイスでは奴を殺せぬであろうが、エピスであれば強力な魔法を用いれば殺せるやも識れぬ」

 シャリーの問いに、アルクラドはそう答える。

 ドール王国にてヴァイスと戦った時のことを思い起こせば、力はもとより攻撃の速度でも、ヴァイスはオークキングに劣っていた。しばしの時を凌ぐことはできるかも知れないが、勝つことは不可能であった。

 しかしエピスの場合、人間ヒューマスとは思えぬほどの魔力を持つ彼女であれば、その魔力を全て込めた様な魔法を放てば、オークキングも殺し得るだろう、と思われた。そんな大規模な魔法の発動をオークキングが許すかは別として、可能不可能で言えば可能であった。

「やっぱりエピスさんは強いんですねぇ」

 そう言ってシャリーは、彼女と初めて出会った時のことを思い出す。

 常に微笑みを浮かべた様な穏やかな表情を一変させ、悪魔の様な形相で部下を殴り倒した初老の淑女。そんな彼女が周囲に撒き散らしていた魔力は、只人の意識を奪うほどに強大であった。アルクラド達は知らぬことであるが、暴虐の魔女や龍殺しの異名は伊達ではないということであった。

「私も、もっと戦えるようにならないと……」

 シャリーは、魔人イビルスとエルフという特に魔法に秀でた種族の血を引き、更にそれぞれの種族の英雄と呼ばれる使い手から手ほどきを受けている。にもかかわらず人間ヒューマスであるエピスが、自分よりも魔法使いとして優れていることに悔しさを覚えていた。常に戦いに身を置いていたかどうかの違いはあれど、戦いにおいてはエピスの方が強いのである。それをアルクラドが認めたということが、シャリーは何より悔しかった。

 戦いとなればアルクラド任せで、敵が強くなればなるほどシャリーは手も足もでなくなってくる。古代龍エンシェントドラゴンのように格の違う存在は別として、そうでない相手であれば1人で任せてもらえるようになりたかった。それが叶わずとも、せめて支援役として近くに居られるように。その為にももっと強くなろう、とシャリーは強く思うのであった。

 そんなシャリーの呟きに応えることなく、アルクラドは歩き続けている。シャリーも言葉を期待していたわけではなく、その後ろを付いていく。話が終わり、風と大地を踏む音だけが聞こえてくる。

 2人はその後も、時折取り留めのない話をするも、静けさの中、目的地へと向かって歩き続けた。そうして日が沈む頃には野営地を決め、火を熾し、食事の準備を始めた。準備といっても干し肉を焼くだけの簡単なもの。干しグーフがなくなってしまった為、久々に2人揃って味気のない食事であった。

 明日はオークの軍勢との戦い。相手の数は500。オークキングに比べれば楽な相手であるが、その分、自分にも戦いの機会が巡ってくる可能性はある。疲れや身体の不調で、足手まといになってはいけない。

 そう意気込むシャリーは、明日の戦いに備える為、大して美味しくもない干し肉をしっかりと食べるのであった。干しグーフの入っていた空の袋を見つめるアルクラドを、微笑ましく思いながら。


 翌日、日が遠くの山から顔を出してから1刻ほどが経った頃、アルクラドとシャリーは野を駆けていた。東から吹く風に乗って漂ってくる血の臭いを、アルクラドが嗅ぎ取ったからである。

「もう戦いが始まってるんですね。予想より早いですね」

「うむ。人間ヒューマスの血の匂いは少ない……優勢の様であるな」

 駆けながら言うシャリーに、アルクラドも同じく駆けながら応える。

 シャリーには未だ血の臭いすら嗅ぎ取れなかったが、アルクラドには漂ってくる血の臭いがオークのものであり、人間ヒューマスのものは僅かであることまで分かっていた。

「オークキングを打倒し得る戦力を集めたのであれば、負けはすまいが」

「念の為、急ぎましょう」

 元々はオークキング率いるオークの軍勢と戦い、勝利することを目的として集められた戦力である。オークキングをアルクラドが倒した以上、負ける要素はなかった。しかしそれは討伐隊にその力があればの話であり、万が一オークの軍勢が勝つことがあればミキアの森が荒らされてしまう。

「うむ」

 そうなっては駄目だ、と2人は走る速度を上げ、風に乗る血の出所へと向かうのであった。そして1刻ほど走った頃、シャリーも風に混じる血の臭いを感じ始めていた。戦地はすぐそこだった。

 2人が到着した時、夜明けと共に始まった戦いの勝敗は既に決していた。

 オークの軍勢のほとんどが討ち取られ、残るは十数体のみ。対する討伐隊は健在。残るオークを相手にする者達以外は、平野の北側に集まり何かを話し合っていたり、倒れたオークから牙を剥ぎ取ったりしていた。

 残るオークは全てオークソルジャーであったが、指揮する者もなくただ正面からぶつかっているだけ。対する討伐隊は既に戦いではなく、若い騎士や兵士が数名で1体のオークを相手にしており、まるで訓練の様であった。

 1体、また1体とオークが倒れていき、まもなく平野に現れたオークが全て討伐された。

「私達の出る幕はありませんでしたね」

「そうであるな」

 どうやら討伐隊は十分な戦力を集められたようで、苦戦することなくオークの軍勢を倒すことができた。オーク達と戦うつもりでいたシャリーは、少し肩透かしを食らった様な気持ちであった。

 アルクラドはミキアの森を脅かす者がいなくなればそれで良かった為、満足そうに頷いている。これでシャプロワは護られた、と。

「討伐隊の長へ、これを持っていくとしよう」

 もう戦う必要がないと分かった為、次にするべきことは、オークキング討伐を知らせることであった。

「そうですね。隊長さんがどこにいるか、誰かに聞いてみましょう」

 アルクラドの背に担がれた、大きな黒布を見ながらシャリーが言う。人間ヒューマスの胴体ほどの大きさのそれは、アルクラドと戦い命を落としたオークの王の首である。オークキング討伐を証明する為に持ってきたものであり、死してなおオークロード以上に威圧感を放つ首は、それがオークの王であると雄弁に語っていた。

「そこの者よ、この討伐隊の長は何処であるか?」

「あんた、誰だ?」

「我はアルクラド。この討伐隊に加わるはずだった冒険者である」

 アルクラドは一番近くにいた者のところへ寄り、討伐隊のリーダーの居場所を聞く。不意に話しかけられた彼は訝しげな視線でアルクラドを見るも、討伐戦の参加者と言われ納得した様に頷いた。

「隊長はあそこだ。まだオークキングが現れてねぇから、そのことで話し合ってる。邪魔するんじゃねぇぞ?」

 冒険者であろう彼は、北側に集まる集団を指さし、すぐに討伐証明の牙の剥ぎ取りに戻っていった。

「分かった」

 その背中にひと声かけ、アルクラドは話し合いをしているという集団の下へと向かっていく。数十人の騎士達に見守られながら話をする5人の男達が、すぐに見えてきた。

「待て。誰だ、お前は?」

 5人の下へまっすぐに向かうアルクラドの前に、1人の若い騎士が躍り出た。全身黒ずくめの怪しい2人組が、騎士団長達の下へ一直線に向かっている。これだけ目立つ2人が討伐隊に参加していた覚えはなく、騎士としては止めないわけにはいかなかった。

「我はアルクラド、討伐隊に参加する冒険者である。ここの長に話がある」

 騎士はアルクラドのことは知らなかったが、話を聞き討伐に参加するはずだった冒険者が遅れてやってきたのだと理解した。

「討伐隊への参加、感謝する。情報にあったオークの軍勢はたった今、討ち取った。残すはオークキングだけだが、姿が見えない。団長達は今後の方針を話し合っているから、少し待っていてくれ」

 現在、騎士団長を含めた討伐隊の上位者達で、オークキング討伐の話し合いが行われていた。

 彼らは既にオークの王が討ち取られていることなど知る由もなく、姿を見せなかったオークキングをどうやって見つけるか、どうやって倒すかを話し合っていた。その為、彼ら以下の者達は待機や死体の処理を命じられていたのである。

「オークキングは我が殺した故、話し合いの必要はない」

「何だと……?」

 騎士の表情が、途端に訝しげなものに変わる。オークキング討伐の為に国中から選りすぐりの猛者を集めたというのに、それをたった2人で為したなど、騎士には信じられなかった。また目の前の人物には、目立った外傷も疲弊の色も見られなかった。国の存亡を揺るがすとも言われる化け物を相手にして、こうも平然としていられるはずがない、とも騎士は考えた。

「オークキングを倒した、だと? 貴様、嘘を吐くなよ」

 故にアルクラドの言葉を嘘だと考えてしまうのは、無理からぬことだった。

「我は嘘を好まぬ。証拠であれば此処に在る」

 いい加減このやり取りにも慣れてきたアルクラドは、担いでいた黒布をそっと地面に置き、包みを解く。

「なっ……!?」

 包みの中から出てきた巨大で凶悪な顔つきのオークの首を見て、騎士は驚きの声を上げる。ひと抱えよりも大きな顔を持つのがただのオークであるはずがなく、首だけにもかかわらず漂ってくる威圧感に騎士はオークキングだと直感した。

「どうした、何を騒いでいるんだ? おいっ、これは……!?」

 自然と大きくなっていた若い騎士の声を聞き、1人の年嵩の騎士がやってきた。至る所に細かな傷が付いた使いこまれた鎧を身に着けた、壮年の男性だった。よく鍛えられた大きな身体は引き締まっており、鋭い目つきは歴戦の猛者を思わせた。赤みがかった茶髪を短く刈り込んでおり、角ばった顔や分厚い胸板と相まって、とても武骨な印象を与える男であった。

 この騎士がラテリア最強の剣士の1人に数えられる、王国騎士団長クライス=ライオールであった。

 普段は何事にも動じず堂々と構えている彼であるが、今だけはその顔に驚きの表情を張り付けていた。今まで見たこともない、尋常ではない強さを持つであろうオークの首が、地面に鎮座していたのだから。

「クライス団長。この者が、オークキングを倒した、と言うのですが……」

 若い騎士がそっと耳打ちをする。それを聞き、もう一段彼の目が大きく見開かれる。

「其方がここの長か。ここへ来る途中、オークの王とうた故に討った。これはそのしるしである」

 2人の騎士の囁く様な声を聞き取ったアルクラドは、オークキングの首を指しながら、クライスに事のあらましを伝える。この上なく単純簡潔なアルクラドの説明に、その余りにも何気ない様子に、彼は困惑した。

「それは、本当か……? お前は一体……?」

「我は嘘を好まぬ。我はアルクラド、オークキング討伐に参加する冒険者である」

「アルクラド……オークロードを倒した冒険者かっ!?」

 嘘と言われたことを否定し、再び名乗りを上げるアルクラド。討伐依頼への参加者について聞かされていたクライスは、その名に覚えがあったのだ。

「そうか、お前が……まさかオークロードだけでなく、オークキングまで倒してしまうとは……」

 オークキング討伐の大きな戦力と期待していたアルクラドが、討伐隊の出立に間に合わないと知った時は大いに落胆したクライス。しかし今回はそのことを逆に功を奏したことになった。

「だが本当に2人だけで倒したのか……?」

 とは言えクライスも、アルクラドがオークキングを倒したことを、完全に信じられていなかった。その一番の要因は、やはり普段封じられているアルクラドの力を、彼が感じ取ることができないことである。戦いにおいて剣士も魔力を使うが、隠された魔力を感知する力は魔法使いとは比ぶべくもないからだ。

 またか、とアルクラドは辟易した様に息を吐いた。首というこれ以上ない証拠があるのに、何故疑うのか、と。

 アルクラドとしてはわざわざそれを証明する義理は無く、後のことは放っておいて構わないと思っていた。しかしこの首がオークキングのものと断定されるまでの間、依頼が終わらないのではないか、とも思い至った。

 それはアルクラドにとって非常に都合が悪かった。何故なら、ミキアの町でシャプロワ料理を思う存分、堪能していないからである。オークキングを早々に討つ為に、少ししか料理を食べていない。アルクラドは討伐依頼が終われば、すぐにミキアに戻るつもりであったのだ。依頼が終わらなければミキアに戻れないかも知れない。それは何としても避けたかった。

 周りが自分の言葉を信じないのは、封じている力を感じ取れないからだと言うことを、アルクラドはミキアの町の一件で理解していた。故に、シャリーの手法に倣い、オークキング討伐に足る力を示そうと考えた。

「この力を以て、オークキングを殺した」

 そう言ってアルクラドは、徐々に封じている魔力を解き放っていく。

 ミキアの町では、シャリーと同じだけの魔力を解放した。しかしオークキングはシャリーよりも強い相手の為、それよりも大きな魔力を示す必要がある。そう考えたアルクラドは、討伐したオークキングと同じだけの魔力を解放した。それもオークキングに助力をした大地の精霊の魔力も込みで。

 結果、突如吹き荒れた魔力に、平野に地獄絵図が広がった。

 多くの兵士達が身体の震えを抑えることができず、息苦しさに喘ぎながら地に膝を突き、また気を失った。

 力ある戦士は決して抗うことのできない強さを感じ、思わず死を予感した。

 魔力の扱いに長けた魔法使い達は更に酷く、泡を吹き倒れる者が多数。

 意識ある者も、余りの恐怖に嘔吐し、粗相をし。

 討伐隊の中で何とか動くことができたのは、ほんの一握りの強者達だけだった。

「ク、クライス殿っ! これは一体っ……!?」

 黒い長髪を振り乱し、1人の男性、魔法士団長であるマージュ=アンジュがやってきた。クライスの傍から途轍もない魔力を感じ、慌ててやってきたのだ。

 それを見てクライスは、魔法使い達が森から離れた平野部で強い魔力を感じる、と言っていたことを思い出した。マージュ達が騒いでいた原因が、今明らかになったのだ。

「マージュ殿、これは……」

「……ぁ」

 クライスが何かを説明しようとした時、マージュがアルクラドの姿をその目に捉え、目を回して倒れた。アルクラドが解放した魔力のその奥に、更に強大な底無しの魔力があるのを感じ、耐えきれずに気絶したのだった。

「未だ我がオークの王を倒した事を疑うか?」

 身体の震えを必死に抑えるクライスにアルクラドが問う。

「わ、分かった! 分かったから、力を抑えてくれっ!」

 恥も外聞もなく、クライスはアルクラドに懇願した。この場の悲惨な状況を収めるには、そうするしかなかったのであった。


 オークの軍勢を倒した討伐隊。被害は軽微で、怪我を負った者こそいたが、誰一人死ぬことなく戦いを終えることができた。加えて一番の困難であったオークキングが既に倒されていた。

 無事、皆で都に帰ることが出来る。

 そう思う討伐隊隊長のクライスだが、目の前に広がる光景を見ると、顔を引き攣らせざるを得なかった。王国最強の魔法使いと名高い王国魔法士団団長のマージュを筆頭に、多くの魔法使いが失神し、戦士達も意識はあるものの下半身を濡らす者が多数いた。

 一体何の悪夢だ、と、皆の無事を喜ぶ一方で、クライスは思った。

「これでオークキングは討たれたと示された。故に依頼は達成で構わないな?」

 この惨状を引き起こした張本人であるアルクラドは、平然とした様子でクライスに尋ねる。彼の関心は依頼が達成されたかどうかにのみ向けられており、魔力を解放したことについては何も思っていない。

 ちなみにシャリーは、何とか震えずに済む程度には耐えることが出来たが、やりすぎだと溜息を吐いていた。オークキングと地精の2つを合わせた魔力は、さすがに強烈過ぎた。

「……あぁ、そうだな。後は王都に戻り、報告をするだけだ」

 クライスは言いたいことが山ほどあったが、口をつぐんだ。相手を疑う様な口振りで話せば、次は何をやらかすか分かったものではなかったからだ。

 目の前の途轍もない魔力を持つ人物が、オークキングを倒したことに、クライスはもう疑いは持っていなかった。故に彼が望む様に、さっさと討伐任務を完了させる方向へと動くことにしたのだ。

「王都へ戻り、国王陛下と王国ギルド長に報告して、今回の討伐任務は完了となる。すぐに撤収の準備をする。共に王都へ来てくれ」

「うむ」

 素直に頷いたアルクラドを見て、クライスはホッと胸を撫で下ろした。そしてすぐに部下達に指示を出そうと、アルクラドから離れようとした時。

「そう言えば、ギルドがドール王国から来た冒険者を探していた。銀髪の男とエルフの少女の黒ずくめの2人組だと聞いているが、お前達のことだな」

 クライスが、ふと思い出したように言った。ギルドが探しているという人物の外見に関する情報は、まさしくアルクラド達を表していた。

「黒ずくめの2人組が我ら以外に居らぬのかは識らぬが、確かに我らはドール王国より来た」

「いや、お前達で間違いないだろう」

 ギルドが探すのは自分達ではないかも知れない、というアルクラドだが、クライスはそうは思わなかった。珍しい銀髪を持つ男とエルフの少女という組み合わせですら滅多にないのに、2人は見事なまでに黒ずくめだった。これで人違いなはずがない、と彼は思ったのだ。

「とにかく王都に戻ったらギルドに顔を出してくれ。ドール王国からお前達に報せがあるらしい」

「ドールからの報せ……?」

 アルクラドにドールのギルドから何かを知らされる覚えはなかった。しかしオークキング討伐依頼の完了報告で王都に行くことに変わりはない。

「うむ」

 故に、そう言ってアルクラドは頷いた。

 ぐったりと疲れ果てた討伐隊と共に、一路王都へ向かうアルクラド。ドールからの報せが、彼を再び騒動へと呼び込むことを、彼はまだ知らなかった。

お読みいただきありがとうございます。

色々急いだ & 中途半端な感がありますが、これで8章はお終いです。

閑話を挟んで、9章に移ります。

次回もよろしくお願いします。

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