第二話
広大な森の中を全速力で走る。
姿がブレて見える程のスピードで走り、一歩踏み出す事に地面が抉れ、彼が近づいてくるのを察知した生物はすぐさまに逃げていく。
「はぁ、はぁ、はぁ。あのクソババアが!!逃げ切れる訳ねぇだろ!」
悪態をつきながら、全方向から襲いかかってくる見えない矢を、時には木を使って立体機動をしながら躱していく。
そして、走り続け、木々の奥に、小屋が見えた。
「よっしゃ!やっと着い………」
「オラァ!!」
「グハァ!」
やっと安堵したのも束の間。横から突然出てきた影に顔を殴られ、数十メートルを水平に飛んでいき、木を何本も薙ぎ倒してようやく止まった。
「ふっっっざっけんなぁ!!!!!クソババア!少しは手加減しろよ!死ぬところだぞ!」
「これでも手加減してんだよ!死にたくないならもっと頑丈になれ!雑魚弟子!」
「はぁ!?こっちはまだ四歳なんだよ!とうとうボケてきたか!?あ、もうボケてましたねぇ!ごめんねえ!」
「んだとごらあ!歯ぁ食いしばれ!!」
「あ、ちょっと、ごめんなさい。謝るからゆるしゴホォ!?」
銀髪の美女に殴られ、今度は小屋の方に吹き飛んでいき、壁にぶつかって、白目をむいて倒れた少年。彼の名前は、ユウ。四歳である。
目が覚めたら知らない天井だった…………ということも無く、木でできたいつもの天井がある。
どうも。いつも死にかけている四歳児、ユウ・ディアリーフです。
なんで死にかけているのかと言うと、俺が転生した時の、銀髪の美女が原因です。
あのあと、小屋に連れてかれて、そのまま二歳になった俺は、やっとまともに喋れるようになった。
そして、二歳になった俺は、銀髪美女に魔法や、軽く体術を教わった。
三歳になる頃には、俺は師匠と呼ぶようになり、魔法などもある程度出来るようになった。
三歳になり、やっと俺は師匠の名前が知れた。
アルシア・ディアリーフ。これが師匠名前だ。
俺はディアリーフの名前を誕生日プレゼント代わりに貰った。
そして、その次の日からが地獄だった。
魔法と体術の修行が激化し、毎日死ぬかと思うほどの訓練をした。
そのおかげで、現在四歳で、こんなステータスになってしまいました。
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ユウ 4歳 男 Lv47
職業 なし
体力 602
筋力 537
魔力 598
敏捷 566
火属性 957
水属性 915
土属性 1028
風属性 933
光属性 3749
闇属性 3913
スキル
魔力操作Lv7 身体強化Lv5 魔鎧Lv1 火炎魔法Lv2 氷雪魔法Lv2 大地魔法Lv3 自然魔法Lv2 光魔法Lv4 闇魔法Lv5 結界魔法Lv4 消費魔力減少Lv3 剣術Lv6 格闘術Lv4 魔法剣Lv3 自動回復Lv4 飛剣Lv3 並列思考Lv1 思考速度上昇Lv2 属性付与Lv3 気配察知Lv9 熱察知Lv7 魔力感知Lv6 危険感知Lv10 状態異常耐性Lv2 魔法耐性Lv6 回避率上昇Lv7 立体機動Lv5 投擲Lv3 視覚範囲上昇Lv2 感覚強化Lv2 痛覚軽減Lv6 隠密Lv4 五感強化Lv2 速度上昇Lv3
固有魔法
ヘイストLv1 星雨Lv3 自立発動体Lv4
固有スキル
絶対空間 合成
称号
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どう見ても人間やめてます本当にありがとうございました。
いやぁ、師匠の修行を耐えるには、人間を辞めないと耐えれないのです。
察知系や、回避上昇、痛覚軽減、魔法耐性がかなり上がっているのは、スパルタ教育が理由です。
話は変わるけど、地球から持ってきたものはエアガンでした。
使えねー。
と思っていた時期が俺にもありました。
固有スキルの絶対空間に合成してみたら、固有魔法の自立発動体ができました。
これは、透明の銃口のついたドローンみたいな物だった。
レベルと同じ数が俺の周囲を飛んでおり、敵がいたら銃口から魔法を放って迎撃してくれる。すごく便利だった。
だが、これでも師匠に傷一つ付けれないのだ。ふざけている。
はぁ~、憂鬱だ。早く起きないと、文字通り叩き起されるからな。早く起きよう。
「やっと起きたか。ほら、早く飯を食え。食ったら二時間鬼ごっこ。その後山の周りを一周して飯を食って、模擬戦の後、夜まで食料調達をして今日は終わりだ。」
「よっしゃああぁ!」
おっしゃああぁ!今日はかなり楽な日課だぜ!
「安心しろ。最近はよく着いてこれてるから、ご褒美に訓練の量を変えてやる。」
「まじですか!?ありがとうございます!」
「そうかそうか、そんなに嬉しいか。じゃあ、量は倍にしといてやるよ!」
「はああ!?ふざけんなクソババア!んなもんできるかよ!f○ck!!」
拝啓 神様とミルさん。折角転生させてくれたのに、私はこんなにも早く死んでしまうようです。助けてください。
固有魔法のヘイストLv1は、あらゆる速度を二倍にする魔法です。例えば、自分に使えば、走るスピード、腕の動き、思考速度、剣の速度、足の動き、知覚速度、魔法の速度など、全ての速さが二倍になるので、チートです。腕の動きが二倍になって、剣の振る速度も二倍なので、単純に考えても、腕を動かしてから振り終わるまでが四倍の速さでできるので、今のところ一番のチートです。その代わりに、魔力の消費がやばいんですけどね。