転移者と機械のお姉さん
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暗闇。
暗闇。
暗闇。
瞬き。瞬間の光。
暗闇。
暗闇。
タンッ。タンッ!ピーッ。タンッ、タンッ、ガーッ。
音が聞こえる。なんだろう。
タンッ、タンッ。ガーッ。タンッ。ガーッ。ガーッ。ガーッ。
「うまくいかないなぁ、チクショーめー。」
誰かいるのか?目を薄く開けてみる。
「うわッ!目が開いてるじゃん。」
男の子が見える。ふむ。面白い。
「うがあっ!手が動いた!」
少し動かしてみた。にししし。驚いてやんの。こんなこともできるぞ。
「うぎゃああ!肩から腕が取れた!!!ナンマイダブナンマンダブナンマイダブ!!!ナムサン、ナムサン!」
うわははは、なんだその驚き方は。何かの呪文か?
さて、なぜかはわからないが体が動く。呪いのせいで動けないはずなのに。
「こんにちは。」
「しゃべったああああああぁ、あ、あ、こ、こ、こんばんは!」
察するに外は夜らしい。しかしこの少年、ふふ、よく挨拶を交わせたな。面白い。
少年は呆然をわたしを見つめる。
「キミの名前は?」わたしはこの少年に問うた。
少年はハッと我に返り、わたしを懸命に見つめて、たどたどしく、
「ぼ、僕の名前はシアンです。シアン=ワタル=ナガサキです。し、シアンって呼んでください。」
と答えた。
?面白い名前だなあ。なんか長い。まあいいや。えーっと次の疑問は、と。
「ここはどこなんだい?」
「こ、ここは千年領の一番東の領地、ポキータです。」
フッ、面白い名前だなあ。豚か馬の名前かな?それはともかく、地名が変わっているのか、どこにいるのか全く見当がつかーーー
「あ、あの!」
ん?少年は勇気を振り絞って聞こうとしている。
「あ、あなたの名前はなんですか?」
「おおこれはとんだ失礼を。少年。あー、シアンくんだっけ?私の名前はメリッサさ。ほら私の胸元に綴りがあるだろう?」
まあ誰にも読めないが。
「!!・・・メリッサ。わかりました。」
少年はひどく驚いた表情をしている。なんでだろう?うん?嬉しげな表情に変わった。
今は置いておこう。
「うん。メリッサ。まあいろいろと質問があると思うけど、今のところはよろしくね。」
「はい。よ、よろしくお願いしますね。」
可愛い子だなあ。ふふ。弟にしたい。
私がニアニアしているのに気づいた少年は気恥ずかしそうに顔を下げた。
じーっと私が黙って見つめる。少年の目が右往左往。緊張しているのか汗がドバドバながれてる。ふふふ。超可愛い。
そして少年は意を決したのか、顔を勢いよく上げ、こう質問した。
「お、お姉さんは、」
!!お姉さんだなんて!
「お姉さんは機械なんですか?人なんですか?」
ふむ。少し冷静になった。
こう答えようか。
「私はキカイな人だよ。少年。」
「へ?」
少年の間抜けな表情を見て、私は薄く微笑んだ。




