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  ○○


 鯉口が切られる。

重み と 振動に よって 。

鯉口が水平から垂直に近付く過程で 鞘に腕の重みが のし掛かる。 徐々に。 鍔に添えられた親指が 鞘から離れつつあるのを直ぐに知らせる。


 親指で切るのでは ない。親指は別離の 感触/喪失を 伝える。

鍔に添える親指は別れを伝える   を味わい ながら。

落髪脱毛 櫛梳る後に。       見届ける。ただ。

思惑も無く たった一人の観客として。現れた結末を。



  ○


 落下点を目指して 進んで行く 肉のからくり。

何時 抜けるのかは知っている。

同じ様に痙攣する。 同じ腕の 同じ重さ。



 

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