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引水
○○
躊躇 ためらい。
いいのかこれでという自問。
必要な下ごしらえというあからさまな発表前申告。
起こり起こり休み起こり。
呼吸は乱れ大きく揺さぶる肩。
休み休み起こり休み休み休み。
柄で中心を攻める。
先生の一人が対手の眉間を目掛けて抜き付けと。
また別の先生は鞘に沿って素直に抜き付けと。
柄で攻めるべき中心を探して。
曖昧に先生を思い 出に探してぺたらぺたら。
掠れた教えを思い 出に見付けてざりざり。
教わった覚えのない見解に終始する。
鯉口を切られた、腰に束さまれた鞘と柄の通過した線が曖昧に円錐を形成。
円錐底辺中央へ渦巻き線をなぞり近付く柄頭。
到達時に切られた鯉口へ瞬時に僅かに押し込む柄頭。
意識される渦巻き線の終点。
鯉口の中での反発。
攻めるべき中心をその二点に定める。
腹胸の前と鞘内。
相手が 対手が
そこに居ないのはやはり一人だからだろうか。




