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 白くしなやかな猫。

風の強い夜半。断続した雨。猫の鳴き声が聞こえる。ゆめうつつに猫の鳴き声が聞こえる気がする。寝苦しい。倉庫の戸締まりが心配になる。閉め忘れがありはしないか。風が強く吹いている。そうこうしているうちに眠りにつく。

夢を見る。猫の夢を。白くしなやかな猫が部屋をうろうろと我が物顔で歩き回る。長い尾をゆらゆら。部屋から部屋へ。

その素晴らしい猫を見て思うのは猫の便所が無いということだけだ。買うか。探すか。どこにあるのか。今からか。うんうん思い悩む。何日か前にも猫の夢を見た気がする。誕生日に見た気がする。その時もやはり便所の心配をしていた気がする。


 ○


 ビデオを渡す。

ビデオを渡す。ビデオは箱の中へ納まる。繰り返す。ビデオを渡す。ビデオを、ビデオを、ビデオを。知っているビデオが、知らないビデオが。楽しい淋しい恐い淫らなビデオを棚から出して渡す。思い出がある。初めて見た。面白そう。つまらなそう。どんどん渡す。過ぎ去って行く。物語たち。知っている俳優。知らない俳優。箱に納まる。ああ終わったんだ。この店舗は死んだ。中身を全て吐き出して空っぽになってそれでおしまい。


 上書き保存。

上書き保存っと。しかし出来ない。反映されない。二度三度ああ出来た。よし終わり。

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