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に
に猫を見る。
石段を上がる。風が強い。石段に影が掛かる。木の影が掛かる。葉と枝。揺れ続け。それが視界の上の隅にぬっと入って来てどきりとした。猫を感じたのだ。灰と黒のまだらの猫を感じたのだ。今まさに階段を降りようと右の前足を下の段に伸ばす猫を。どきりとしたから感じたのか感じたからどきりとしたのか。変わらずに風が葉と枝を揺らしていた。影も不思議なところなど何もなく付き従って揺れていた。石段を上がった。
視界の隅に猫がいる様な気がするのが二度三度と続いている。二日程か。猫がいる程度で何故かどきりとする。実際にはいないのだが。いたとしても猫だ。僕の身体はいったい何をそんなに気にしているのか。何か猫に見出だしているのだろうか。




