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 次の日。

次の日そこを見ると黒い虫がいた。先日踏んでしまった虫だ。枯れた茎をちぎり横腹にあてがい優しく線で押す。と、もそもそと脚が動いた。まだ生きていた。気付かずに踏んでから一日が経っていた。

次の日またそこを見るとそこにはもう何もいなかった。どこかへ這っていったのか、羽で飛んだのか、土の中に潜ったか。それとも食われたか。杳として知れずか。


 ○


 倉庫の。

暗がりに灯り。今までは影が出ていたが、それらが打ち止めらしいとなればおみかぎり。という訳でもないだろうが、霊媒からの話もぷっつりと切れている。これで僕も倉庫の肥やしの仲間入りというべきか。多分有り難い事に僕は放って置かれている。めぼしい発見もなく頭をひんやりとさせ静かに座って痙攣したりしている。何の足しにもなれない。倉庫の隙間をちょろちょろとしたりしている。何の足しにもならない。柔軟体操をして身体が冷えたらストーブをつける。明々とした火に尻を向けて痔を労ったりしている。何の足しにもなるものか。薬缶に水を少し注ぎ煮立たせる。薄暗い倉庫に湯気が立ち上る。


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