ぱたぱた
○○
形で暗喩すらなら、羽根を生やか、被服に波を付けてやるといい。
凸凹で繰り返される印象。
一滴の起こす円環が広がる様。
小さな羽根、飛ぶには物足りない規格。
あれでは飛べるわけがない。
振動にはそれで十分。
大きいと反って邪魔になる。
蜻蛉の羽根とかは良いね。
空中に留まる蜻蛉は激しく振動している。
旗は破れず。
棒は折れず。
羽根は着かず。
去就を知らず。
○
お坊さんは思ったよりずっと速く動く。
箒か熊手で掃く様を監察すれば見分けが付く。
しゃしゃしゃさ。
ざざざっと塵取りに集めてそこから
塵取りに溜まった小石と落ち葉を別ける。
全て快速だ。
休む間も無く、
落ち葉を連続して摘まんで除ける。
全部除けたら石は参道へ返す。
別けた落ち葉は抱えて山の斜面へ だ。
それを一定の長さ事に繰り返す、端から端まで、
担当の区画で。
たしかね。
あんまり速く動くもんで驚いてその辺の記憶が曖昧だ。
もうずっと前の事だ。
お坊さんってもっと呑気なモノだと思っていたから、
大層驚いたよ。
あんなに驚いたのは爪切りの検査くらいかな。
二回連続で長い長いと駄目出しをされて。
見本を見してくださいと言って見してもらったら、
ほとんど爪の白い部分が無くてね。
深爪じゃないか。
ってなった。
まあ




