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 痛い。

お医者さんが言った。:痛いの。

質問だ。僕は驚いた。痔が痛いかときかれたのだ。痛くない痔があるのだろうか。痛くなければそもそも病院に行くのだろうか。僕はふにゃふにゃと答えた。:まあ、はい。

出血には痛みがなかったが。その夜は痛んだのだ。眠れぬ程に。今は痛くないかときかれるが、薬を飲んでいるのだからその分はそれは楽になるだろう。:はい。

治療とはなんだろうか。完治とは何時分かるのだろうか。疑問は浮かんで、放棄されていた。とりあえず年末分の薬を出される。飲み薬と座薬。痛みを緩和するだろう。完治は痛みが教えるだろう。不在になることで。きっと。


 ○


 変革の時。

来年は変革の年になると言われる。

毎年毎年いい年になると言われる。

いいと言った事柄は結局何だったのか。年末に訊ねるとこれといって該当する事もない。毎年。存在しないいい年が過ぎていく。愚者は経験に学ぶというが、刻まれた経験から逃れられる人間がどれだけいるだろうか。疑似相関の只中で除ける事ができるのか。はっきり感じる事を錯覚として切り捨てられるのか。僕は結局来年の変革の年に何も気付かずに過ごすのではという考えを拭うことが出来ずにいる。異なる能を持つと言われても、何も出来なかった様に。


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