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ふ
ふしちょう。
ふしちょう。という。蝶なのか。鳥なのか。判然としない。
喩えという。魂という。最後の影を出したならば僕はそうなるという。眉唾な話。
朝に。
朝は肛門の痛みから始まる。痛みに追いやられ寝床を這い出る。歯を磨く。朝食を取る。薬を飲む。薬を肛門に突き入れる。まったく痔が主の様に振る舞う。痛みを与える。
夜に。
夜さ。薬を飲む。食事の後で。薬を入れる。寝る前に。
ああ。いたい。擦過傷に消毒液をかけたようだ。焼けるような痛み。寝る。眠るのがいつになるか。不安になりながら。
昼に。
食べるものにも気を付けて。下痢になれば悪化の一途。そしてここ何日かは下痢。排泄の回数もやや多い。取るべき品目は何か。悩ましいところだ。前日の残りを無関心に口腔へ掻き込む。薬を飲む。忘れぬように。




