つ
続く。
最後の影を育む。訳もわからずに。夢の切符を掴めるかのように。同じように日々を過ごす。新たな発見もなく。筋を伸ばし整える。痙攣し保つ。衝動を寝かし付け禁欲を保つ。禁欲。熱を離れる。禁欲。何の意味があるのか。やはり分からずに保つ。
痙攣が効いているのか。
痙攣の刺激が性衝動を微弱に刺激し迷った時。選んだ。それを促しと取るか。戒めと取るか。促しと取るなら行えばよい。戒めと取るなら留まればよい。戒めと決めて留まれば禁欲の熱も気持ち収まる。そう願う。
禁欲の熱というのは大抵夜更けに沸いてくる。
掛け布団を足で押し上げて寝具の換気をして熱が籠らないようにしたり、夢精で寝具を汚さぬように腰に布を巻いたり、脛を寝具からはみ出させ、精巣を冷やしたりして誤魔化す。
十代二十代は失敗の連続であり、めげないようにしなければならない。禁欲とは空しさ。情けなく思いつつ汚れた下着を手洗いする事と思っていた。
こう言う風にさも今はなんとかなった風に思うていると次の朝に下着を手洗いする事となる。そろそろ逃げ切れたかなと思うた頃が落とし穴だった。今もきっとそうだろう。そうわかっていていも気持ちは湧き上がる。
十代二十代よりはましになったと思いたいだけなのかもしれないが禁欲という点では三十代はやり易く感じる。
しかしこうやってたかをくくっていると揺り戻しが襲って来そうではある。
好いても嫌っても不味い。集中しても無視しても不味い。整えても歪めても不味い。繊細かつ奔放。何の意味もない気もする。禁欲は要るのか。要らないのか。さっぱり分からない。




