表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
415/493


 らしの前に

嵐の前の朝。黒い頭の犬。目を覚ます。雨戸が閉まる。雨音が響く。曇った空模様。風は微速。雨が降っている。

スバラシイ御告げはない。固まった筋肉を痛みと共に伸ばす。痛さは変わらずある。十年二十年変わらない痛みがある。

町は静かだ。遠くで時折緊急車両が音を立てる。

風は弱まり、雨音は絶えた。不穏に感じるのは心配しているからだろうか。嵐の前の明るい。


 ○


 満月。

電話が鳴る。霊媒だ。今日行うそうだ。満月が顔を出した。雨は乾き雲は散り鈴虫が鳴き始めた。延期はない。二十三番影を取り出すのだろう。僕も日付が変わる前に帰る。眠る。影を見ないように。寝ている間に全てが終わっているために。

特別な影といわれた。一時は最後の影ともいわれた。

何も変わりはしないさ。特別なんて縁遠い事。

変わらない朝が来る。お馴染みの目覚めがある。

そう信じてやまない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ