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ひ
え。
肩に冷えた感触を覚え、腕に熱された感触を覚え。
額から湧出し、鼻を洗う。脚の血はゆるゆると減少しつつ。
手のひらが温かい。触ると温かい。
両の腕が温かい。触ると冷たい。
肩が冷たい。触ると冷たい。
額が冷たい時、触ると温かいのだろうか。
○
鈴虫が音を立てる夜更け。
もう帰ろう。その前に文字に起こす。そう
いつか大事な事を文字に起こす為に。でも
そんな日が来るとは思えないが念のため。
時計の秒針が動く。
音が響く。鈴虫が鳴く。大きいと思った針の音は隠れたり表れたり感じる。鈴虫が鳴く。唐突に止む。
