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て
つの円盤。
7.5㎏の鉄円盤が教えてくれる。無敵の妄想に浸っていたいだけなのだと。
一切の関心も配慮もない黒い金属製。穴の空いた円盤は変わりなく在る。こちらの調子なんて関係ない。
2.5㎏の鉄の棒、穴へ通し留め具を回して回してコロカラ鳴らして捩じ込む。
二度下顎を上顎へ打ち込む。二度手首を後方へ張り込む。二度手首を外へ張る。二度脇へ引き込む。土台胴体痙攣し、ここぞとばかり跳ね挙げる。
手の棒は滑り落ちそうだ。ただ重さで。
掲げた金属製の黒い円盤。教えてくれる。今この瞬間の調子を。




