あ
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何事もなく。
満月は通り過ぎて。
味のしない残りものの推定粥に牛乳を継ぎ足して胃に流し込む。溶けた五平餅のようなもちゃっとした感触は著しく食欲を減退させ、口に運ぶ匙を停止させようする。食感を改善すればましになるかとフレークを投入しザクザクさせる。乾いた感触で誤魔化す旨くもなく不味くもない謎の白いお粥らしきものを食する昼。
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そういえば使いっぱしりでロト6を一枚とロト7を一枚、買ってきた。番号を指定までされた。※いちいちこの番号でと頼まれた事は今までなかった。
指定された数は十二個。そう数字が一個足りない。6と7なのに、十二しかない。
ロト7だ、足りないのはどうしようもない。足りない分は僕が適当に塗っておいた。※ちゃんと足りない分を勝手に塗っていいか確認をした。
次いでロト6。指定の番号に40があったが40は指定できなかった。何故ならロトは37か38までしか選べなかったのだ。仕方ないのでこれも適当に塗っておく。※これについては確認はせず。
どうせ当たりはしないんだ。こんなもの。
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間抜けな霊媒。
影を二十五番までだしたなら、成果を得る。
霊媒はそう自信に満ちて言った。
しかしそれは、細く希な結末。そもそも二十三番で終わりだとついこの間に自ら宣っている。ああ、相も変わらずにころりと騙されている霊媒。順当なら届きはしないのだ。偽りの希望に眼を眩まされた憐れな老人。そろそろ溜まると言われてうきうきと期待している被害者。そもそも、向こうのそろそろはこちらの永劫だ。あと少しもう少しで十年浪費させられた経験からもそれは明白。そしていまだにその少しは欠けたままだ。
感覚の齟齬は断絶を意味する。
向こうのそろそろを待つ位なら、太陽が西から上がるのを待つ方がましだ。霊媒はそれをいつも忘れてしまう。憐れなことだ。
40を塗り潰せと言われても40は無いのだ。
ロトに無いものを指定してされても、ないのではどうしようもない。期待はその始まりから間違いだった。御告げなどはなから嘘っぱち。
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十七番影。
十七番影は問題なく去った。双子だったそうだ。大きさもしっかりとして立派なもので十七番の二つというよりは十七番と十八番とした方が良いそうだ。
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