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あ
○○
きよみつ。
ぶすりと針を刺される夢を味わい、痛みと共に目覚める。
右の人指し指の背、中頃。血が出てないだろうな。間抜けな心配をしつつ、ちらりと見てみる。当然傷などない。
きよみつは 問われて刺される。しかし、きよみつとはいったい。寝直す。
眠る。人を見た。白い。服も肌も髪も眉も睫も光彩も、白い。階調か。漂白されたとまではいかないか。
瞳孔は黒い。髪型は奇妙な形だ。大根の桂剥きを左右に一つずつと上に一つ乗せた様になっている。歌舞伎染みた髪だ。ぱりっと糊付けでもしたようだ。きれいな平面、曲線。しかし服はドレス。薄く、体に密着している。裾はひらひらとしてさぞレッドカーペットが似合うだろう。体躯、骨格はコーカソイドを思わせるか。
また眠る。共和制と帝政が町で争っている。
また眠る。町は怯えて、うろつくのは両陣営の兵隊ばかりだ。
また眠る。
また眠る。
時間だ。




