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ぬま
○○
ふちゃ
ふにゃ
頼りない。鏡に映る手。
親指を内にした手。
見栄えが無い手。
左右が反転した鏡の手。
間違った手。
実直なあまり取り違えだ。
素直で実直、好ましい。
その結果、表すのが反対なのも。
左右の反転を訂正して映す鏡が有るそうだが、
身近には見ない。
やはり不気味なのだろうか。
あまりに正確な写し取りは。
○
溶ける。
熱に包まれ変形。
固まる。
包んだ熱が去り凝固。
蕩けた形。
固まった。
触って写し取れるのなら触らずとも写し取れる。
見て写し取れるのなら見ずとも写し取れる。
聞いて写し取れるのなら聞かずに写し取れる。
つまり、
知って写し取れるなら知らずに写し取れる。
門は閉ざされた。
触らずに写し取れるのに触る。
見ずに写し取れるのに見る。
聞かずに写し取れるのに聞く。
とうとう、
知らずに写し取れるのに知る。
門は開かれた。
門柱の間を通る方は
内へ、か。 外へ、か。
腕肩 足腰 首顔 口腔後頭。
入門はいずれからか。




