あ
○○
もっとも。
影は主張し認められた。僕も負けじと主張した。:僕は作製者ではないです。親でもないです。
ただ彼らが言うように僕の影だという事は認めます。つまり僕は彼等と同郷であり彼等の先輩ではあります。彼らが言う事と僕の主張は共存可能であり、何ら食い違う所はありません。僕はただ僕の影だからといって僕が何ら工夫していないモノを僕の作だと言ったり、僕が産み出したと言って、全き自然の働きを、その手柄を奪うのを良しとしたくないだけです。この穏当な主張に賛同してくださる方はおられますか。
僕は介添えに過ぎません。
結果 いなかった。賛同はなかった。
根回しもしておらず、日頃から仲良くもしていなかったからである。また影に対する素っ気ない対応や言葉の数々が関係者一同の同情を影に寄せる強烈な追い風になったのは言うまでもない。
第三者たる神々は認めた。僕を親と、作製者と。影は僕の功だと追認したのだ。当事者の一方である僕の意見を真っ向から否定して。当事者のもう一方である影の主張を全面的に支持したのだ。
○
彼等は心の深淵から親もなく独りでに浮き上がった自発した一つの自我 では納得できなかったのだ。
それほどまでに親を欲したのだ。身体も持たずに。人間はそうやって子を育まないと知ってなお。
僕は分かりきった孤立に陥った。




