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新装開店。
一月からの改装。二ヶ月の沈黙を経て、三月末に開店した本屋。待っていた。さっそく入店。店内は以前に比べやや薄暗い。床はコンクリートが見えている。硝子の自動扉を入って直ぐの床にはwelcomeの黒い字が。矢印もある。これは塗られているのか。
四月から新たに導入される店舗内の喫茶店は工事半ばなのか、開店日直前まで隠しておきたいのか、プレハブ壁材で目隠しされている。隙間が広い。子供の楽しげな声が反響している。人影は多くはない。端にある薄暗い際の、多人数が座れる椅子には御婦人が一人座っている。一階はこんなものか。では二階へ。階段は木目調で綺麗だ。床との差異が際立つ。
二階もやや薄暗い。会計は停止しており商品を、一階に持っていかねばならない。やはり隙間が目立つ。床は一階同様だ。
一階、二階共に棚の並びは大きく変更されており、商品の位置を把握するのにやや手間取る。二ヶ月ぶりだ。その内慣れる。さっそく本を三冊買う。
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そのうちの一冊は既に一月に買っていた。
しまった。本を開いて一枚二枚で違和、既視を覚える。嫌な感じだ。本を置いた。倉庫を探る。それは乱雑に積まれた本の上にあった。うっと声を漏らす。やはりあった。同じだ。僕は動揺した。
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