あ
○○
認めるか。
ぴょこぴょこと跳ねる。腕立てで跳ねる。
影を思う。
役に立たない。少なくとも僕の役に立たない。年月が解決するのだとしても間に合いはしない。
だからこそ取引の具に相応しい。僕には低く、それ以外には高い。皆に利の多い取引だ。影にとっても高く評価する所へ引き抜かれるのは次に繋がるだろう。向こうさんは安く手に入る。僕は厄介事を切り離せる。皆さんご満足でしょう。それなのにどうやら、向こうさんは、ついでに影も僕が影を低く見積もるのを気に入らないそうだ。僕が低く見積もるからこそ手に入るというのに。もはや栄転を約束されたも同然というのに。皆、私腹を肥やしておいてそれとは。
まあ、分からないでもない。役に立つとうたっているのに、ばっさり何の役にも立たないと言われては面目も何もない。
ちゃんと質問したんです。:役に立つ、成る程。介錯は出来ますか。苦しんでいるのを楽にするあれです。
出来ない。じゃあ何の役にも立たない。不採用で。
○
僕の役に立たなくとも、どうという事はない。むしろそのおかげで開けたのだ。展望が、将来が、それでいいじゃないか。
嫌いなモノにできるだけの親切を行った。それが幸福になる機会を妨げなかった。僕より好まれ、僕より頼られ、僕より輝かしい。素晴らしい次へ渡した、一つ残らず。それでも足りないのか。贅沢な話だ。
納得のいかない幸福は居心地が悪いか。それは僕ではどうしようもない。僕もそうだった。どうしてもというなら僕の様に押し付けられる誰かを探して、何とかするしかない。それかそのうちに慣れると放って置くかだ。




