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 ○○


 散歩。

霊媒は言う。:十二番は連れ立ち付き従う。散歩を楽しみ、鼻唄を為す。

楽しそう。それを聞くと分かる。別のモノだ。何も共有していない。僕が散歩を楽しんだのはいつまでだっただろう。


青白い顔を項垂れて、首は真っ直ぐで後頭を上に、角度は水平。歩幅は狭く、転がるように。風に流されるように。どこを見ているのか。曖昧に進む。その様を見た。 人を恐れ出入りする鼻息。それに付随する掠れた肉。

それが自分だった。足先が交互に出る様を眺めている。空虚な袋が飛ばされて滑るよう。何も思わず、交互に動く足先を追った。景色は後ろへ流れた。街路樹は伐られ途絶えた。


形は変わった。内実も変わり続けている。単純と複雑を行き来する振り子。後頭の随意。腹直筋の痙攣。神経の痺れ。

それらは僕をどうした。とぼとぼと足先を眺める子供だった僕を変えただろうか。


 営業はしていない。その店舗を眺めて引き返した。

散歩は折り返しに入った。

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