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あ
○○
手足が冷え頭が温い。
毛糸の帽子は頭部の熱の拡散を緩やかにし寒さを和らげる。
変化と力への期待を一身に受けて、困惑しかない。痙攣はそういうものなのか。世迷い言にしか聞こえず、否定は流れ去る。
僕はお客さんだ。僕の事を僕より自信を持って断言される。僕はこの身体において当事者ではないかのようだ。
勘違いした部外者は恥じる以外出来ることもなくて、嘆いた。
自らが主要な存在だと錯覚していた事に、気が付いてしまった部外者はどうするべきか。赤面し、胸を打たれ、所在なく、逃げる事も出来ずに慚愧すればよいのか。ただ時間が過ぎるのを耐えるしかないのか。
よくある事と呑み込むか。
恥に恥を重ねては恥じる。
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季節の子供。
天候の子供、曇りの子供、風の子、晴れの子、天候を告げる子供達。何人いるのやら。文明の世の中で、天候を告げるのか。
今、気象衛星は幾つあるだろうか。山でも海でもなくとも、必要だろうか。僕にそれは必要だろうか。
天候への鋭敏さを持っていたのか。持ち腐れは思ったより多いのか。空を見てはぼんやりした。
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