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 ○○


 十二番。

元気な男の子。快活で、探検したい。


 影。

美しい影の話を聞くと不思議な気分だ。自分とは似ても似つかない。精神が凝固したのか、奥底に始めから存在するのか。

これも才能という訳だ。本人より立派で愛らしい影を排出する能力だ。素晴らしいという話だ。


思う。そんなに素晴らしいのなら僕より早く発生するべきだった。この身体に一番に発生するべきだった。その素晴らしさでこの身体の一生を輝かしいモノにするべきだった。快活な影よ。散歩したがる影は。


 ○


 九番は。

九番は桜が見たいそうだ。どこのでもじゃない。この身体が育った場所の桜だ。かつてその下を歩いた。その桜が咲くところを眺めてみたいそうだ。情緒のある話だ。共感はしてやれないが。


 ○


 どう作用してそんな事になっているのかさっぱり分からない。明日、目覚めた時には無くなってやしないかと考えたりもする。話を聞いて知るだけだ。関わったりはしない。蚊帳の外。我が身から出るが、他人事。共感もなく、手立てもない。その日は早く眠るだけだ。

僅かばかりの何かはあるのだろうか。


 ○


 何故共感しない。

直ぐそこだからだ。

そしてもう違う。


昔ほど枝は繁茂していない。街路樹は整えられて、桜の回廊は当時程ではない。桜並木は記憶ほど咲き誇らない。それでも見たいのだろうか。見たいのだろうきっと。



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