あ
○○
しっくりとくることはないだろう。
僕にとって影は余所者だ。見内面をした、出身が同じの、それだけの奴。
影はこっちをよくご存知だ。それがどれだけ正確かは分からないが、こちらにたいして何かしらの見解を有している。優しいとか、律儀とか、怠け者だとか。そういのだ。内からの見解。
それがお互いの関係を損なう。一方は知るが、もう一方は何も知らない。見ず知らずの親戚かな。当然こちらとしては知らないし、益もないので、出ていってもらおうとする。雇う謂れはない。いきなりやって来て、役に立つ。信じられる訳もなく。
そういのは取らないようにしているんだ。手足でさえ労働を放棄する。職務を投げて。生まれてからずっと一緒だったのに。どんなときも。それなのに状況が追い込めば何だってする。その結果長期の損害を被ろうが。そこに周囲への配慮なんて有りはしない。先に従わざるをえない状況をつくる。そこへ捩じ込む。体外の状況に浮わついて流されない様に。そこまでしても尚絶対ではない。
不信は信とおんなじだ。故あれば寝返る。信じられる。それが手足への信だ。手足は裏切る。信じている。
身の内に中途採用なんて取れるものか。
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裏切る。
そら裏切るぞ。もう裏切る。今にも裏切る。すぐにでも。裏切る。ほら。ほらやっぱりだ。分かっていた。
追い込んだのは誰か。
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