あ
○○
鬼。
鬼の為の叫喚。荒野の罪人。磨り減らない労働者。
上から来た鬼。鬼でなかった鬼。何処かへ行った鬼。
鬼が来ても安心だよ。と教えられ、困惑する。鬼がそう来るものなのか。そもそもいるものなのか鬼。今年で三十四歳になる男にする話なのか。疑問は尽きない。
○
しーさー⬆。
小判か、しーさー⬆。
十二個一揃いに対して、小判十二枚か、しーさー⬆十二個。
適正なのか。てんで分からない。分からないので取引は流れた。陰の値付けなんて出来ない。人生経験の不足を痛感する。
○
捨てるか。
裏の山にでも捨ててしまおうか。そう相談したら、駄目だとなった。出たばかりはか弱く食べられる危険が有ると。まれに人死にがある山で、よろしくないとの事。どんな山でもまれに人は死んでいるだろうと思いつつも、反論には弱いかとも考え沈黙する。
引き取り手も決まらず、難航する。
作ろうとして作った訳でもなく、何故出来るのかも分からずにぽこぽこ出来るのは実に不可解ではある。
世人 精を浪費し精進を知らず。たとえそれ知れども 世人 精進直ぐに落とすなり。これ浮世の知恵なり。陰 害多く益少なし。たまさか益多かれども更に害は多し。畢竟如何様なり。




