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午後
○○
冬の日差しが温かい。
風が渦巻き、それを吹き消す。
盛っては削り与えては奪う。
交互に揺れる端から端へ。
引き立て合う寒暖の振り子。
冬の午後の日差し。
温まった背中を撫でる風はより冷たい、新鮮に凍みる。
○
幸せが流れ出て行く。
もう戻って来ない気がする。
夜が覆い被さり不安が湧き出る。
夜毎の悲しみ。
毎度の不安。
○
神々の言葉に、
何も感じない。
繰り返される事柄。
変更された言葉。
それを訳すれば同じ。
いついつまで待て。
その日まで待て。
つまり待て。
何度も何度も、そうしてきた。
今まで。
待てという意味の言葉が、これ程に多様だと、知りたくはなかった。
一つ新しい表現を知る度に一つ更に失望した。
その言葉の数だけ、表現の尽きるまで、待たされるのだろうか。
足りない失望と余った悔恨。
浪費される年月。
失われる。諸々の、残された自分。
夜が少し恐ろしい。
目蓋を閉じて横に為ると、またやって来るのでは
と




