きし
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牛が二頭に馬九頭。騎士が十二騎、一人は歩き。
とことこ歩いてさぶらう一人。
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丸いモノを食べて満月を迎えている。
透明な丸いモノを待ちつつ。
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満月の晩は早く眠る。うろうろとやって来るモノを見ないように。何をしているのか気付かないように。
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ハイエナがお行儀よく座る。
大きい。そして長い。脚が胴が首が尾が、すらりとして高貴だ。歩くのは猫科のような動き。尾には白い飾り毛が、上下と先端の中央に並ぶ。団扇か古代魚のヒレを思い起こさせる、中央の伸びた白い毛。黄色に黒い斑点模様、それが全身にある。※頭部と尾の白毛は除く。首は長い。が、キリンよりやや短いか。それでもそれに迫る長さだ。長い。顔はハイエナに似る。黒い。犬科のようだ。眼球は前面にある、狩りをするのだろうか。
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トーテム獣。
アフリカかな草原か亜熱帯な密林を感じるそれが、守ってくださるんだそうな。謎だ。日本人の僕と全く縁がなさそうなモノのように感じるが。そうだというなら、そうなんだろう。棚上げした。分からん。
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満月は過ぎた。月は欠け始める。黒く。
今まで通りだ。何も変わりはしない。緩やかに退行している。
いつも通りだ。予言さ。当たりはしない。力はない。
不思議な自信の出所は何処だったのか、分かることはないだろう。それはひび割れ、それは価値を減じた。大幅に減じたのだから、それが何であれ、大したモノではなかったということだ。元々はどうであれ、今ではそうだ。
成功しか描けない方々。忠言を聞き流す主。冷や水を掛けるのを疎む仲介者。従者は他人事と高を括る。
たかをくくってここにはいない。
僕は言うもののそれは聞き入れられないと知っている。
知っているがとりあえず言う。:万が一に備えて言葉は考えておいた方が良いですよ。
失敗して直ぐ誠実に対応する事は失敗を通しての栄化。
失敗を試金石に。失敗をばね発条に。失敗者をより気高く現す。威光は弥増だろう。そうとってもよかった。騙されてあげてもよかった。そうすればみなちょっとずつ損をして、少し円滑になれた、はずだ。
しかし提案は聞き流された。失敗は突如現れ猛烈に激突した。間抜けな発言者に、迂闊な実行者に、今や失敗者に、それを痛烈に喰らわした。恥ずべき勘違いを突き付けた。
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