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あ
○○
誰かが呼んでいる。町内会費3000円。
倉庫にいたら徴収に来た。はい、払います。
店舗、倉庫からも取るのか。もっと儲かってそうな所から取れよ、と思いつつ払う。やるせない。
○
半月か。
進展はなし。甥っ子が盲腸炎に倒れた。絵画が落下しガクが砕けた。黒い蝶が横切る。異世界王朝物語を最新話まで読んだら、黄金週間は終わった。文字に起こすまでもないかと延び延びに。倉庫の立ち退きも十月まで延期。外より倉庫が涼しい季節。
夜の病院に姿無く足音がうろつき、怯えて部屋替え。自身の頭髪が、ずるずると枕に抜け落ちて、ひっそり泣いて。嫌だと訴えるも緊急入院そして施術。そんな甥っ子を思う。
○
のこのこ歩く。ふと路面に視線をやると、そこに鳥の死骸。ああ雀かな。薄汚れ灰色のひっくり返った小鳥。一つ眺めて歩き出す。
しばらく歩くとまたそこには鳥の死骸。セキレイかな。白い。全身挫滅の様相。平面を体現しつつ、風に羽が揺れている。乾いた押し鳥。
拾う気持ちも僅かに有った、有ったが捨て置いた。
進展はなし。
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