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あ
○○
靴中に納まり足動かず。
脛に痺れが流れる。
足指は今まさに跳ね上がらんと、極僅かに動く。留める。反って地に刺す。足指にて行われる前方への蹴り上げ。踵浮く、皮は離れず。踵落とす、皮は僅かに、左右に揺れて、脛に痺れが流れる。踵より。足動かず。
へそのくぼ。
横、前、へその内、放る。逆巻く。足指、踵、踵。
○
影も動かず蹴るなら足も動かず。
足、動かずとも筋急ぎ張れば神経に痺れ走る。打ち込まれ、また、既に蹴り放った後感を得る。これ動かずに動く。工夫の一つ。
○
痙攣を脱却出来ぬ内は痙攣。
痙攣は君臨する、肉体に、動作に。
痙攣の限界が己の限界。肉体の限界が痙攣の限界。
閉塞に閉塞に。
三叉路を間違い続ける。
取り乱し、狼狽え、なぞり続ける。失敗を、一つ前を、自覚もせずに。




