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 ○○


 蚊だ。

ぶうん。 ぶうん。耳に聞こえて来る独特な振動音。

三月もそろそろ中旬。虫も飛ぼうというもの。あ 右手親指の背に留まった。しげしげ眺める。蚊だ。気持ち 大きいな。白っぽい。黒くない。よし外へ逃がそう。歩く 歩く 腕へっと飛んだ。気にせずのしのし歩く。 と また飛んだ。何処かへ飛んだ。逃げられた。


 しばらくして 灯りを消す。

帰宅するべく倉庫の外へ 扉の鍵を閉める。平たい取っ手に 黒い影。さっと消える。まさか。まあいいか。シャッタを降ろしてこれも施錠確認のため軽く持ち上げようとする。挙がらない よし。帰宅だ。


 ○


 冬場の羽虫を吹き散らして歩む。

はぐれたのか 一匹で まとわり付く虫。


 浴槽水面。

水面へ の接触。水上の一面に触る。緩い逡巡と随時の調整。突き抜けぬ様に まごつく。この一動に二が有る。水面への進行と水面での停止。水面への作用と水面からの反作用。手が面を離れず抜かず繰り返し揺すれば 水は上下に動く。二は一の如く 擬きの一は三度打った。

浴室には忘れられた虫の死骸。


 ○


 機会を逸した。

御辞儀を首だけで行い逸した。後頭への負担は軽くなった。

御辞儀を尻だけで行い逸した。足指への負担は軽くなった。

機会を喪失した。先を掴む手掛かりを見送った。

足腰の鍛練を足腰だけで行い逸した。足腰への負担は重くなった。

部位の鍛練を部位だけで行い逸した。部位への負担は重くなった。

機会を喪失した。分担軽減する工夫を見送った。


 ○


 境内を辞する。

さあ 帰ろう。家へ向かう。階段を降りよう。二歩三歩降る。

降りて そこでふんわり蹴躓いた。※ ああ。※ 右側手すり 手が掛かる。右手 左手 浮く両足。階段に着地。そろそろと階段を降った。

二階の 高さか 町並みを眺める高さの階段。転げ落ち ていたら。


 ○ 



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