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あ
○○
裏目の重み。
嵌まり込む べき間欠。
進展なく さ迷い 困る。
行き違う 通りの人。
汚れた銀幕に映る誰か。
○
向こうから自転車が二列で来る。
二人とも男性 黒か暗色のカジュアル。成人。ロードバイク どちらも細身で色白だ。
いや 一人はそうだった が もう一人はあまり印象に残らなかった。顔色は違うかもしれない。
どんどん近付く。一人はこちらに無関心だ。前を見ている。一人は かっと目を開き 白い顔を向け続けている。こちらに。
距離が近付く。顔をじわじわとこちらに向けながら。行き違う。
遠ざかる。白い顔。二人の男。
僕の顔がそんなに珍しかったのだろうか。
これが怪談なら どちらにとっての怪談だろう。
僕も白い顔の男だ。黒い服装に破れた手袋 色褪せ解れた帽子。
歩いてる人があまりいない 自動車の往来は多い通り。
時間は昼間では 然程 か。
よほど気に入らない顔だったのだろう。
それか気になって仕様がない顔だったのかもしれない。




