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あ
○○
寒い。風が倉庫を揺らす。刈り上げられた頭皮は熱を放つ。
相も変わらず。進展なく めぼしい発見もない。
頭部の膨らむ感覚は人相も変えぬ虚仮脅し。
○
ぐああ 筋肉があ。
前腕がすっかり鈍っていた。一通り片手での素振りを行い 一息付き さあ 再開と 振った。 へろへろ 止まらず 床に吸い寄せられる模擬刀。 倒立では前腕に効かせられなかったか。寒いと冷たいから触りたくない ので ついつい素振りを怠けた。すると これだ。
棒は 重く 素っ気なく 馴染まず 前腕はあっさり役目を放棄した。棍が気持ち重いか と思った時点で気付けたな。
毎日だと軽く 忘れれば重く。丁度良いというのは難しく。
衰えた筋肉は戻し難い。
また一からか。
ついつい 抜ける 原始の練習。
つまり 走る 振る 伸ばす。
走っては脛が痛み 振っては腕が鈍り 伸ばしては節が痺れ。
肺が痛み 息が上がり 意欲は剥離する。
小細工に耽溺し 過ぎた。大きな運動不足だ。
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