昇り降りた
○○
蠢く敗残者群が、頂点の有り難さ、
輝きを、強く実感させる。
それを、敗残者の一人に成って、つくづく思い知った。
○
お詣り。
金が零れ落ちる。
賽銭に、かたん。
かたん。
○
恙無く終わり、
帰るべく階段を降る。
その、前方に人。
階段を降りた先に。
鳥居の内に。
歩いている。
境内で見なかった。
黒ずくめの人。
背を向けて歩く人。
すれ違うことさえ無く。
去って行った。
○
何だかんだ人が居るな。
神社にも。
信心深く、敬虔なのか。
それとも、
僕の様に、
訳も分からずに、手順をなぞって いるのか。
□
空き缶にも命あり。
甘い水なら、特に。
蟻が居る。
拾った空き缶、何となしに見たら、一匹ちょろついていた。
飲み口の所だ。
当然逃がした。
まだまだ居るのでは。
振る。振る。振る。
一匹ちょろり。
まだまだ。
もう一匹ちょろり。
逃がした。
順繰りに。
三匹目は なかなか頑固で 缶から離れたがらなかった。
野草に移すのに、手間取った。
僕が今まで拾った缶から
何匹が死んでしまったんだろう。
気付かれずに死んでいった虫虫。
今の季節、そういった心配は無用な寒さ。
気楽に拾える。
○
文字をせっせと撫で込むと
眠気が湧いてくる。
もう寝よう。
早寝して。
起きる。
早く。
それが出来なければ、 いっそ出来るだけ、
長くゆっくり休みたい。
ぐっすり。




