あ
○○
思わせ振りなだけの詐術。
見せない 教えない 出来ない。
その間だけは 輝く 懐の小石。
○
恐れている。
電池。長過ぎるのか 充電。
愚か 無知で 分かっていないのでは。
話が長い事が 自らの 無能を さらけだしはしないか。
黙って この辺で去れば 忘れられるのでは と 怯えている。
忘れられたいのか られたくないのか。どちらでもある 気持ち。
○
気持ちというものも仕組み か。
有機生命は仕組み。脳は仕組み。思考は仕組み。動かすのは仕組み。
それを十年二十年行い 言語化し 洗練し 続けるのに 動作に気持ちが混じるのは当然ではないのか。気持ちと仕組みは大部分で重なる。強いて分けるのは理解の差か。その場しのぎか。
○
おや。高校の 組 集合写真。卒業間近の。
よくよく見る。 あれ。
自分を発見できず。戸惑う。
一人一人見ていく。あ 当時の知り合いだ。覚えている。僕は 何処に いるのだろう。もう一度 確認していく。 全員 見終わった。僕は 僕だ と発見できなかった。二度とも。
僕が分からない。見付けられない。訊ねる。僕は何処にいるのか。
これだよ と指を差される。 最前列の右端に座っている これか。
言われて よくよく見る。 あ 眉毛が同じだ。
すかした 坊っちゃん感が見てとれる。ああ 僕だ。当時の僕だ。
一人だけ きっちり座っている。 背筋良く拳を握り 足を程よく開けている。面接の様だ。お堅い。浮いてる。
何故見付けられなかったのか不思議なくらい 浮いてる だ。
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