あ
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冷たい風と暖かな日射し 流れてくる紫煙。
頓に増えた烏 灯籠の影の植木。山盛りの木屑。木屑の中央に立つ まだ小さな植木。 動きもなく 期限が迫る。僕は成り損ない なのか 自問する。
響く上腕二等筋。
腕を頼むな。腕を忌むな。腕で終わるな。腕を忘れるな。運動と腕 動作と腕 痙攣と腕 視界を泳ぐ腕。まずは腕。
胴体部を痙攣させても 繋がっている腕が どう在るべきか 何度となく考える。
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真の醜と雑な美。
曖昧な美しさ 均一な 丁寧ではあるが 違いは分からず 大量生産の 流れて来て 留まらず流れて 去れば思い出さず 忘れる。不快ではないが それ以外が出てこない美。
それでさえ 縁が無い。
縁が有ったのは 触覚だ。
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注※夢です。
灰色の小人。身長は100㎝~120㎝程度。子供 か。
目は楕円 大きい 白目は無いか 瞼に隠れる程度。
※爬虫類を思わせる 瞬膜かもしれない。まばたきは確認できず。
黒目しか見えない。鼻は無いか小さい穴が開いているのだろう。薄暗く目視できない。何か喋っている。甲高い 声変わり前の 子供の声を連想させる。※内容は聞き取れず。掌は大きく 手指は細く長い 体格に対してやや大きい だ。
しかし 細い。 脂肪というものが存在していないかの様だ。
その証拠に 薄暗い中でも 顎の筋繊維が一本一本見てとれる。ものすごい絞り込みだ。しかも明らかに顎の筋は発達している。脆弱さを感じさせない。これらの事から この灰色の小人は あまり重くない 瞬間に負荷の掛かる運動をある程度修めているか それに類する運動を得意とする生態 と考えられる。
もっとも特質すべき事は 髪を被り服を纏い 擬装しようとしている点だ。確かな知性だ。運動を修めていると考えたのはその知性を鑑みてだ。鳥が声を真似る様に話を真似る。頭部の極端な発達を見るに 交流も可能なのかも 知れない。
喋っている。 顎の筋繊維に気を取られて いなければ もっと耳を澄まして集中していれば 聞こえたのだろうか。
それどころではなかった それでも 惜しかったのかも知れない。
有益な情報を得られたかも。
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美人が来たかと聞かれて 灰色の小人が鬘とフリフリのドレスで80年代のアイドル風にキメテ来た と答える。
自分の脳が心配だ。これ以上休めそうもない。分からない事だらけだ。




