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底辺から底辺へ
○
祈りを捧げる。
二拝二拍手一拝。
水が冷たい。
寒い。
二番拝する二番拍手一流拝する。
手順だけが頭を占める。
寒い。
冷たい。
お金。
お金持ち。
離れて行く手。
賽銭箱の上で放たれる硬貨。
かたん。
一円か二円か。
ああお金持ちには端金。
お金持ち。お金持ち。
さよなら お金持ち。
二番拝する二番拍手一流拝する。
○○
終わる。
鳥居を潜る前には、
御辞儀。
鳥居 入る。
御辞儀。
鳥居 出る。
○
何故。
こんな無駄な事を、
しているのだろう。
帰路に ごみ。
拾う。
たった一つ 街のごみを拾った。
祈りが拾わせたのか。
でもそれが何にも成らないのを、
もう知った。
もう知ったって尚 繰り返し 行われる。
帰り道に落ちた ごみは、
良く見える。
価値が有るように ではなく 殊更
街の異物として異彩を放つ。
きっと
○
つい目を、
取られる。
惹かれる。
○○




