あ
○○
得るは喜び 保つは苦しみ。
望みの外は痛く 苦しく。
甘い皮に 苦い肉。尖った骨に 柔な髄。
ぷるぷる ゼラチン 煮凝り揺れて 濁って透ける。
○
寒さを 痙攣で誤魔化し やり過ごした。
毛布にくるまり 眠れぬ夜を やり過ごした。
夜の声を 聞かぬよう 逸らした。
静かに 汗をかかず 振るえて 微動して待った。痺れる冷たさが離れ去るのを。
音に脅かされ 室外機械は唸りを上げた。
鳴動しては 時々黙った。 時々が まだ時々なのか それっきりなのか 不安に揺れて それまでなのか 分からずに待った。
室外機械が 何処に設置された物なのか 少しだけ思いを馳せた。
○
○
また雪か。
寒い。
眉毛の間を思う。
頭骨は 変わりなし。
新しくもなし。
眼瞼から眉へ 刺激は伝い 瞼で弾いて額へ。
眉寄せて 眉を弾いて 拡がり振るえる 睫毛のさざなみ。
押さえる睫毛に 跳ね睫毛。
○
やや停滞。
○
眠気に襲われる夢。
ただただ眠い。
目蓋は 鉛に。 意識は朦朧としている。 間断無く苛む眠気。
誰かが 何かを 話しても 分からない。 眠い。
寝る 起きる 夢の内で収まる。はみ出しもせず。変わり無く 眠い。
ふらふるとさ迷い 寝ても寝ても眠い。歩いても 座っても 一人でも 誰かが居ても とにかく眠い。
頬を利き手で 力の限りで 平手で叩いても 夢は途切れず 眠い。
何処かを 探して さ迷い 擦り切れて唐突に終わる。
そんな夢を見た。その朝には 寝れた気がしない。
三度見た。 三度目は 昨日か その前の日だ。
中学か高校以来だ。寝ているのに 夢の中でも眠いなんて。
○
その前の夢は嘔吐する夢だった。
初めての体験だった。夢で嘔吐する事が。
夢の中だけで 収まって 良かった。 起きて確認をした。
気持ちの悪いものが 居やしないか。
寝惚けてたんだ。 きっと。
手渡されたモノを安易に食べて 吐くとは。
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