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  ○○


 怯えた眼球。

被害者面。卑屈な相貌。急き立てられ そわそわし 存在しない呼び出し。

黒い羽衣を 巻かれそうになり 拒絶する。


 夜中の掛け布団

寝ているのに 掃除機で吸われ 吸い口で繰り返し撫でられる。

反転し 起き上がり 不穏をはね除け 眺めた暗い部屋は 沈黙。

寝ている夢は 滑らかに起きている現実に接続し 振動と音は錯覚だった。


 ○


 指先は赤く。

冷え込んで。

黄色い夕暮れを眺めた。

いい一年に成る そうだ。

僕は死ぬのか 訊ねる とまだまだ と返される。

その場限りの他愛ない予言者。

法螺吹きは懲りずめげない。

当たらなか ろうが 気にもしない。

幸せを謳う 嘘つき。


 ○


 猿。

強いAIか弱い猿か。

それらが痙攣を会得し自在なら 僕は怯え逃げ出す。

それがAIなら その不合理さを恐れて。猿ならその調教者を恐れて。

祈る機械や祈る獣が存在していいのか。公道に四角い車輪を捜す。

不具合を 呼吸を 筋肉の張り加減を 振幅を 体現して。

猿の頭骨は拡張されうるのか。平面間接はべきべき拡がり弛み膨らむのか。それを伝えたのか。どうやって。言語を介さずにか。胴体と頭部の肉を使うか。どうやって。


 ○


 腕を僅かに

つ形に揺らし吸う(右主体時 左主体時には鏡文字の つ ⊂形)。

二点打ち 吐く吐く。背面を張り上げながら吸う。後頭の収縮で吊り上げ吐く。後頭の収縮を少し弛め 収縮に戻しながら吐く。気持ち頭を上から下へ引く。押さえる。

腹部上部を膨らませ吸う そして吐く。へそから吸う吐く吸う吐く吸う吐く吸う吐く。へそから息は出入りしない。

また背面を張り上げながら吸う。組み合わせ。

腹部だけでは背が丸まる。背面だけでは 呼吸が大きく揺れ過ぎる。


静かな痙攣の中で。


 ○


 許されるのか 獣に それが。

強いAIは遥かな知識の地平 その先で 産まれるのでは ないのか。

それが不具合を使うのか。動揺し作業の飽和に反応しきれなくなるのか。その 分水嶺に 。

それか回路を専門のモノにして使うのか わざわざ。

割りに合わない。  その筈だ。


 ○


 偽りの感情。

痙攣して 神経を激し 浮かび上がる感情は。

剥がれる。そうあって欲しい。破滅へ引き摺られるのは御免だ。

激しい感情は 人格を苛む。自責 憤怒 歓喜 懐郷。

煮詰められた胸懐を冷めるまで置いて。

分泌物に過ぎない。錯覚に過ぎない。過ぎ去る全ての一つ一つのその仲間。入れ込んでは留まる。

見送る 僕ではない。


 ○




 

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