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あ
○○
眠りに付く。
赤いシャツの上に二枚 厚手を着込んで寝床に潜り込む。ファスナーをきっちり上げて布団にくるまる。みぞれ混じりにさっと降られた日。
夢を見る。とぼとぼと歩く夢を見る。付き添われて。
知らぬうちに自身に掛けられた 紐を見る。ひらひら。羽織の紐が別れている。ひらひら たなびく。付き添われて ぼわんぼやんぼんやり 歩く。
そこへ 横から手が 伸びて 羽織の紐を 結ばれる。
横を見る。付き添われている。 ありがとう。言うとやや驚かれた。
何やら呟かれた。
○
目が覚めた。寒い。冷気が背に張り付いて。
うとうとと夜を明かす。
翌朝 歯を磨く 鏡の前。
鏡に赤いシャツが映っていた。上着のファスナーがへそ近くまで 下がっていた。着込んだ上着二枚どちらも。
シャツを露出させていた。寒いのは当然だ。着込んでもはだけていては。
○
なんだ 生きてるのか。
それらしい夢を見た。




