あ
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営業する期間は延長されるだろう。
霊媒に囁く。 無責任な 能天気で 向こう見ずな 神々。
あんなのに経営の何が分かる。なのに 何故。
訳も言わず 決まろうとしている。何故 理不尽が罷り通るのか。
知識も実積も 忘れられ。繰り返される失敗はいつも新鮮だ。
神々に 店舗の 運営費が出せるのか。出せるわけが無い。
それでも 横車は押されるだろう。
何故か。詐欺師の御機嫌伺いは心地好く滑らかで溌剌としており次こそ来るのではと思わせるからだ。そして 何とかなる といつも思っているから 毎度毎度引っ掛かる。不毛な 繰り返される協力。
幸せな どこまでも幸せな方々を喜ばせる為の 押し付けられた苦痛。
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誰もいない。
責任を取りました けど 何の補填にも成りませんでした。
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虫が倒れている。 黄緑の蟷螂が横倒しになって石畳の上。
鳥居の注連縄は草臥れ随分と黒ずんで。今にも千切れて ぶら下がり垂れて 降って来そうだ。
虫が泳いでいる。手水舎の水で。柄杓の内でぱたぱた。
十二月の中頃に泳ぐ虫か。柄杓の縁に追いやる。植木に近付け 逃がす。少し手こずる。のたのたと柄杓の縁に留まる虫。
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小石を踏んだ。 サンダルの穴を通り抜けて 踵に突き当たる。
一瞬の痛み。うむ。
また石を踏み抜く そんな事が増えてきた。
年末で浮わついているのか。どうにも。引き締めても引き締めても弛む。
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いつ死ぬか。
いつまで生きられるかと聞いたとて何の意味があるか。
全て真っ赤な嘘 で予定日より早く意識が途絶すれば 嘘つきと罵る事も出来ない。
聞いたより続いた。して それを怒るのか。思ったより長く生きるのを 怒るか。 いつまで生きられるか聞かずに居られない様な人が。
かっちり予定日に死んだとしても認識出来るものか 怪しいものだ。
怒りたいなら いつまでに死ぬか 聞くべきだ。
死ななければ 怒り 罵り 存分に嘆ける。
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参道の階段。いつからかは忘れたが 白い塗料のつやつやな手すりが真ん中と左右に有る。
そこの 真ん中の手すり 階段前の端 角に 黒い蝿が止まっている。 十二月もそろそろ下旬。何となく視界に入った黒いものが。
ぶうん。飛んで行った。虫。
参拝の帰り道。公道で同じ虫を見る。同じ種目か。同じ個体か。黒い。
寒いのに元気な虫を。アシモトの 道から飛び立った虫を見送った。
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