あ
回っ ○○
平成には水素水。
飲んでみた。水だ。うん。水だ。
紛う方無き まごうことなき水だ。疑い様も無いって事。
水だ。
味無く 不味く無く 臭く無く 癖も無い。水だ。
だからなんなんだって水。
ごくごくいける自販機の水。
何でもこれが凄いんだそう水。
一度買って二度買わなかった水。
今でもどこかに有るのかな水素水。
いつまででも有るのだろうか水素水。
本当に意味が有るのかどうなの水素水。
分からずに飲み干した。冷たい水素の水。
どうしようもなく水だ。
○
背骨に添って上がって下がる。
吸っては上がって吐いては下がる。
楽しく 楽しめ 無意味な動作。
横に引き 横に引きを積み上げて頭骨へ。頭骨から横に引き 横に引き 仙骨へ積み下ろす。すす すう。息。
○
鳥居のちょいと先に 鳩の羽一本。参道の真ん中。羽の付け根は境外を指し示す。 出来すぎな 何かの暗喩。周囲に鳩は居ない。
○
脛 脇腹 膝小僧。
脛を浸して 啜る膝小僧。
脇腹激して 腕に通る。
反 反 復々 まじないは 意味がないから増々激す。
意味がないから意味深長。浪費をしようと輝かし 輝く為の浪費癖。
意味が無くとも痛みは走る。 浪費の果てに虚空を掴む。
走る痛みを抱え込み。 囲い込んだら遊ばせて 削れる我が身の儚さよ。
○
間違い 嘘つき 失敗者。
カスを掴んで吐き捨てた。
ありもしないで寒空で 理想の彼方を 見送った。
遠ざかって 小さくなって 消失点を 見送った。
○
嘘を繕い続けるよりは正直に言った方が楽だ。
事実なんだからな それが。職も無くぷらぷらしている。
三十過ぎの男。 覆しようもない事実。
方々で言いふらされても辛いけど 事実だけにどうしようもない。
痛みも痙攣も 他者にはどうでもいい事ですからね。
何も起きない事が奇跡なのだとしても 何も起きない じゃあ 目を引く事も無く。
○
驢馬の耳はぱたぱたと跳ねて働き者だなあ。
昔 驢馬に乗せてもらったんだ。
景色を忘れて 忘れた驢馬の耳が なんだか気になった。
眺める驢馬の耳は よく動くなあ。ゆらゆら揺さぶられて。
○




