あ
回っ ○○
黙っている。聞かれても 詰られても。
自分で言ったんだろうと 確認しても。
黙っている。沈黙する。その為に 聞いたのか。
すると 違う 返事をする。 沈黙する以外にも反応する。
違う。 何が 違うのか 分からない が 反応する。
○
どいつもこいつも おんなじだよ。霊媒め。
いい加減なんだ。 浮かれて 他人事で 責任逃れ。
あいつらと 違う ってよ。 愚か 間抜け 路端の糞。何も変わりやしない。 出来もしない。 その場凌ぎを繰り返して 傷付ける。
○
優しくさわり ばりり引っ掻く。
理屈を忘れた瞬間に 傷付けずにはいられない。
違い過ぎる 前提に 理性知性で絶さず監視。
一瞬絶せば 一生欠ける 一瞬忘れて 一生残る。
信頼ぼろぼろ けんもほろろ。 欺瞞の沈黙 目が泳ぐ。
○
一口啜れば 言葉が滲み。 二口啜れば 思いが染みる。
白湯を啜れば 恨みも彼方。 お前なんぞに 何がわかる。
ずずる ずるずる 白湯啜る。 明日の為に家帰る。
底冷えしてくる 倉庫の中で 冷えきった家を思う。
草臥れて 横たわり 眠りにつく 乱雑な 冷えた部屋。
冷気が足首にまとわりつく。 家猫は温い 直ぐに もういない猫。
○
不器用さを振りかざし 被害者面を浮かべ いい気になって 痙攣する 落伍者。小さい蠅が集り 飛び去る。それも今は無い。
成功を約束され もはや確定するその瞬間 成功をするという一大事に驚き 取り零した。
筆は 回転して 修まらず 転がり落ちた。
成功に拒絶。 拒絶したのは成功か自分か。驚きは後か最中か。
勝ち癖というモノは 在るのやも知れぬ。
負け癖というモノは 知らぬ内に有った。
○
巡回中のお巡りさんが スイマセンと声を掛けた。そう 僕にだ。
警察車両を止めてご苦労様。素足にサンダルで歩いているから 寒くないのかな と だとさ。
警察の胡散臭げなシタデ。 不審人物に向けた眼差し。言えばいいのに 素足にサンダルで怪しからん とさ 寒いもんなここ 二 三日。
自分たちだって鍛練の時は裸足だろうに。
鍛練中とは 思わんものか 素足にサンダル 歩く一人。
持ち物も検品だ。まず 家の鍵 倉庫のシャッターの鍵 倉庫の硝子扉の鍵 それらを束ねた輪。警官の手のひらに乗せる。次に折り畳み式財布。渡す。以上。
財布の内容物も几帳面にも一枚一枚検品する。
しかし財布のポイントカード一つ一つ調べて 何が分かるんだろう。
何かあったんですか と 聞くと 特段の事は無いそうで。
日頃の巡回中でしかなく 余程 素足にサンダルが 気になった様子。
また声を掛けるかもとさ。 素足に穴空きサンダルでどんな犯罪ができるというのか。砂利道や落ちた硝子片すら恐ろしいのに。
食い込んだらエライコトダ。
素足にサンダル 寒空の下 のこのこ歩けば 警官に怪しまれる。
目配せ 訝しげ。
咎められる素足に 履き潰れそうな穴空きサンダル 乾燥し冷えた昼下がり。




