表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
210/493



回っ ○○


 黙っている。聞かれても 詰られても。

自分で言ったんだろうと 確認しても。

黙っている。沈黙する。その為に 聞いたのか。

すると 違う 返事をする。 沈黙する以外にも反応する。

違う。 何が 違うのか 分からない が 反応する。


 ○


 どいつもこいつも おんなじだよ。霊媒め。

いい加減なんだ。 浮かれて 他人事で 責任逃れ。

 あいつらと 違う ってよ。 愚か 間抜け 路端の糞。何も変わりやしない。 出来もしない。 その場凌ぎを繰り返して 傷付ける。


 ○


 優しくさわり ばりり引っ掻く。

理屈を忘れた瞬間に 傷付けずにはいられない。

違い過ぎる 前提に 理性知性で絶さず監視。

一瞬絶せば 一生欠ける 一瞬忘れて 一生残る。

信頼ぼろぼろ けんもほろろ。 欺瞞の沈黙 目が泳ぐ。


 ○


 一口啜れば 言葉が滲み。 二口啜れば 思いが染みる。

白湯を啜れば 恨みも彼方。 お前なんぞに 何がわかる。

ずずる ずるずる 白湯啜る。 明日の為に家帰る。

底冷えしてくる 倉庫の中で 冷えきった家を思う。

草臥れて 横たわり 眠りにつく 乱雑な 冷えた部屋。

冷気が足首にまとわりつく。 家猫は温い 直ぐに もういない猫。


 ○


 不器用さを振りかざし 被害者面を浮かべ いい気になって 痙攣する 落伍者。小さい蠅が集り 飛び去る。それも今は無い。


 成功を約束され もはや確定するその瞬間 成功をするという一大事に驚き 取り零した。

筆は 回転して 修まらず 転がり落ちた。

成功に拒絶。 拒絶したのは成功か自分か。驚きは後か最中か。

勝ち癖というモノは 在るのやも知れぬ。

負け癖というモノは 知らぬ内に有った。


 ○


 巡回中のお巡りさんが スイマセンと声を掛けた。そう 僕にだ。

警察車両を止めてご苦労様。素足にサンダルで歩いているから 寒くないのかな と だとさ。

警察の胡散臭げなシタデ。 不審人物に向けた眼差し。言えばいいのに 素足にサンダルで怪しからん とさ 寒いもんなここ 二 三日。


自分たちだって鍛練の時は裸足だろうに。

鍛練中とは 思わんものか 素足にサンダル 歩く一人。


持ち物も検品だ。まず 家の鍵 倉庫のシャッターの鍵 倉庫の硝子扉の鍵 それらを束ねた輪。警官の手のひらに乗せる。次に折り畳み式財布。渡す。以上。


 財布の内容物も几帳面にも一枚一枚検品する。

しかし財布のポイントカード一つ一つ調べて 何が分かるんだろう。

何かあったんですか と 聞くと 特段の事は無いそうで。

日頃の巡回中でしかなく 余程 素足にサンダルが 気になった様子。


 また声を掛けるかもとさ。 素足に穴空きサンダルでどんな犯罪ができるというのか。砂利道や落ちた硝子片すら恐ろしいのに。

食い込んだらエライコトダ。


素足にサンダル 寒空の下 のこのこ歩けば 警官に怪しまれる。

目配せ 訝しげ。

咎められる素足に 履き潰れそうな穴空きサンダル 乾燥し冷えた昼下がり。 






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ