201/493
あ
○○
庭の薔薇に妖精が入って 咲きもしなければ枯れもせず。
蕾で固まりそのまんま。童話。
○
サバ缶で丼飯を食べる様を憐れまれる。
妖精が憐れんで下さったとさ。この僕を。
ほっとけよ 言って終った。
○
サバ缶の何が悪い。電子レンジに納めた米が解凍されるのを待ちながら つつく サバ缶を。
鯖を少し齧る。
暫し経ち 解凍された米を丼へ そこへ 残っているサバ缶の汁と食い止しの鯖を 掛けて頂く。旨くもなく不味くもない。鯖の臭い。解凍された米の歯応え。薄暗い部屋とさほどの灯り。
夕暮れの庭。隙間の空。
○
美味しいサバ缶が手に入ったのか聞かれる。
不味いか ならまだ分かる。 サバ缶にそんな旨いとか有るのだろうか。
好みか 好みじゃないか だけ。
缶詰は均等じゃないか。どれも一緒。文明万歳だ。
皆一緒。