あ
○○
◎
逆行し合う二重円。
繰り返す円線に 外内反転逆行し 刺激が鼻を痺れさす。
穴の空いたサンダル 小石が突き当たる踵 ああ 刺さりはしない痛み。アスファルト 反射して光る。
手水舎にて 遊泳する亀虫。
柄杓を置いてふと気付く。泳ぐ亀虫。柄杓で掬う。運ぶ。植木へ。
柄杓に潜り込む亀虫。しばし戯れる。植木に乗せる事に成功す。離れる。
鼻が痛むな。
寝ている内に打たれたかの様だ。
ひりついて 鼻血でも出そうだ。 出ない。
痛みが残され 何か有ったかの様。
○
実で 間に合う 得勝で 有る。 虚で 間が違う 失敗で 無い。
虚勢の実を痙攣に求め 痛みが突き出す その先を。
無形無色の生臭さ 離れて止まり 近付けず。
形無く 色無く 頭部の高みで 蠢くイソギンチャク。
無形無色の冠を 部屋の外から眺めて竦む。
気色の悪い 生き生きした 何か。
○
大陸の武家は 慎みが無い。
向こうの人は 慎みが無い そう言った。 大いに笑われた。
霊媒は にこにこし 上機嫌 笑った。
慎みが無い その言葉が 途方もなく可笑しく 意外な評と。
訳も分からず笑われていた。
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所作も強さも 言及せず 笑われていた。
まず慎みを 槍玉に挙げる様を 面白がって。
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