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あ
○○
鳥居の外に一羽の鳩。左から右へ歩く鳩。
とことこ。眺める。 とことこ。ばささ。飛んで行った。
右の空へ へ。
○
鯉口を切る 鍔が浮く。
人差し指で 押し切る所作。
腹を振るわせ 曲がりに抗う。
人差し指の鍔浮かせ。
柄当ての なだらかさ。
親指仕舞って 当て込んで。
腹を振るわせ 当たりに抗う。
人差し指が鍔浮かす。
人差し指で浮かす鍔。
背筋が曲がって台無しだ。
腹が振るえてやっとこさ。
人差し指の鍔浮かせ。
○
○
夕暮れに 西の空 誰も見ない 白い箒星 流れて行った。
見たのなら 聴くだろう 白い声 白い蝶 流れて来る。
信じやしない 戯言を 鼻で笑って 聞き流す。
そんなもの 関係ないさ。僕には どうってことないことさ。
暗がりが 濃く広がった 道を 引き返した。
○