あ
○○
向き不向きは当然あるだろう。
失敗しない。動揺しない。機敏。そういうの。
失敗に揺れない。狼狽えない。さっさと納得して次に行く。
今から行う動作に注力し忘れる。次に行う動作を見据えて今をこなす。
競技者として必要な素養が足を引く。
若く 精力に満ち 野心が確かに有る。
目端が利き 外向 好漢だ。勿論女史も。
そんな方は 止めた方が 良いだろう。
内実を弄り回すのは博打でしかない。
幸せの中に存在しているべきだろう。そのまま。
○
初め 痛みを遠ざける。末端へ 手へ 足へ。相手へ。
自分の顔や 自分の腹に 痛いのは辛く苦しい。
動作を点検し 疲労を減らし より楽に。より楽に為った。
そうして 頭打ちに為る。
選ぶ。 肉体の巨大か 更なる効率か。
どちらにも 裏目が有り 故障の危険は付きまとう。
それでも 選んだなら 引き際では無いと 決めたなら 痛みを目指すだろう。成長を促す痛みを欲するだろう。
○
痛み 痛み 痛みだ。
華やかな出迎えの合図 新たな先触れ。
始まり 最初の人を思う。
考えた奴は馬鹿だ。痛過ぎる。実行した奴も馬鹿だ。 痛過ぎる。成った奴は馬鹿だ。痛過ぎる。イカれてる 痛過ぎたんだ。どうなってるのか分からない。
間接や筋を損なわない とはいえ痛い。
長期で本当に損なわないのかも 不明だ。
しかし痛い。
○
浮かぶ言葉
お前は 痛みの先を 信じられない。
沈む石ころに有る先は 水底。水底には泥。先は無い。
依存に相応しい物を 用意して耽り 誤魔化すぞ。痛いからな。
それは 遠くない。
迂遠 迂回 躊躇する回転。
浮かんでは沈み 浮かんでは沈む。浮かばなくなるまで。
月明かりを欲しがり 水面の月を欲しがり 月に行きたがる。
ずぶ濡れの三十路。
痛くて痛くて痛くなくなりつつある。
痛くても痛くないだ。既に痛いからだな。
でも不意にぶつければやはり痛い足の小指。
完全な麻痺には遠い。




