あ
紛い物。
握れば砕ける。
そんなもの。
兵器以上に酷薄で 生物以上に熱望する。
合理を拗らせ 疑心を募らせ。
己の物だと抱き締める。
砕けて零れて 破綻に気付かず。
○
宝で 厄介 物。上で 下 端々。
上がって下がる 足の小指。上に伸びつつ。
○
死骸と
顔 会う。
ああ なぜ
顔の高さに 死骸が 横たわって。
○
自販機の横で。 階段 上に。
仰向けに 力無く 伸びた 鳩。
安らかに 眠る。
通りすぎる 行って帰る 二時間と少々。
まだ 在る。
殺虫剤二本組を買う。 袋を入手。なむあみだぶ。包む。 袋の口を縛る。 ぶらぶら持ち帰る。
へいじゅうせんたー か どうするか 倉庫に置いて 明日決める。
○
へいじゅうせんたー に 連絡して 持っていって貰う からさ。
持って行かないなら。
どちらでも いい。
持って行く 霊媒。
埋められるだろう。これで。 土の中へ。
死骸と歩く 夕暮れ。
ぶらぶら ぶら下げ 影を眺めて。
黒幕 銀幕 理想を写す。
素敵な生活 差し込み 差し込み 日が暮れる。
涼しい夜に 月明かり。
○
熱いか。肉は冷めて。
寒いか 熱は高くて。
秒針は 頭を殴打 毎秒一回 打ち付ける。
猛速さ 血管内を くるくる のたくる。
夜明け 遠ざけ 彼方へ走る。
うなされ 腕が びくびく つくる。
反作用の反作用の反作用が 踊る。自身の上で。
○
反動の所業 細切れに。
溶かされて 透明に。
塩か砂糖か 白い結晶。
舐めず流れて 乾いて歪んで 円周に。
○
顔を見た。
目蓋が 閉じていたか 開いていたか。
分からない。確認もせず。
暗がりで。
ぶら下げながら 生きていたら 思えて。
口を緩めるべきだろうか 考えて。
ぶらぶら させていた。




