あ
○○
現物の痛みを 余す所無く感受したなら
現物を より か。感受を より か。だ。
現物の限界は近い 肉体の限界 耐久は近い。 湿った弱者。
感受する神経を 養うなら ついには 現物を不要とし ただ 痛む事も 可能かも しれない。
代替行為として終わるか その次を目指せるかは 分からない。
飽いているなら 試すのも 手立ての 一つ。
遠くか 近くか さえ 分からない。
現物か 感受か。 比率は。勿論 代替を超えて。
○
頭の無い 死骸。 蟷螂か と よくよく見ると 蝗だ。
腹を見せて 足が でろりと 力無く伸びている。
蟻が 二 三 彷徨いて 歩道 道の真中。
足先を 摘まむ 脇に置いた。 諸共に 踏むのは 嫌だ。
手袋に穴が空いていた。 人指し指 親指 の腹を。
直に触る 触って気付く。
まあいいか。
虫の感触。
足の感触。
体の重味。
○
痙攣出来て始まりで。 耳が動いて半人前。
頬が振るえて やっともうすぐ。
○
早速 一人芸を 御披露目。
題 喫煙。
くわえて 着けて 頬を凹まし。
ふごふご 動かす痩せた顎。
終わりに吐き出す 大きな吐息。
さて感想を 聞くと 答えて 何やってるか分からん。
○
自分の芸を 口答で説明する。
悲しい。 こう 喫煙が ですね 煙草が 云々。
分かりません かね。 答えて 分からん。
昭和の女に ざっくり 分からん 断言される。
じゃあ 何をしている様に見えた。 答えて 気を吐いていた。吸って。
失敗だ。
身近では無い言葉が出た。
○