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あ
○○
昔 舐めた飴の味を 急に 思い出し そうに為ったが 結実する前に消えた。浮かび そうも無い。
○
痛み 不安 間に合わない。
間に合わない事も無いと しても それが なのに。
○
握る。 握った手首 力が入らず 転がされる。
太いからか。 いや それより 太い手首でも 力が入った。
立場か 自らより上の階級者で在るからか。 いや いや 。
たまたま調子が 出なかったか。 または または 。
○
びびったのか。何故だ。
その答えに 近付けて いるのか。
痛みだけが 増える。皮下に殖える 無機質な存在。
痺れ 動く様な 動かない様な。 風に振幅する蝉。
○
目新しい。神社の 木製の扉 付け替えられた。
賽銭の為の円い穴が窓に 有る。暗い飴色だった木扉は明るい淡い新品な材木に取って変わられた。 生っ白い。
人肌を連想させる。 肌色と今は言わないんだった。
何て言うんだったかな。
円い穴が窓に よそよそしく空いて 事務的な感触。
格子に合わせて四角では 不味いのか 小さな円い手首を通せるだけの穴。
酒瓶は通りそうもない。




